絆具新商品開発〜「伝統工芸品」大阪錫器さん工場見学〜
通商産業大臣指定の伝統的工芸品・大阪錫器さんの工場を見学させていただきました。
皆さん、錫(すず)をご存知ですか?
恥ずかしながら、私は千田硝子に勤めるまで知りませんでした💦
錫は金銀に並ぶ貴重な金属で、昔は一部の特権階級のみ使用されてきました。
金属なのに柔らかいのが特徴で、純度100%のものは手で簡単に凹みます。
能作さんは柔らかいことを全面的に出した商品でブレイクしていますね。
大阪錫器さんはその柔らかい金属を敢えて100%にしていません。
長く使っていただきたいという思いから、錫97%、残りの3%を独自の調合をすることで強度を高めています。
型に溶かした錫を流し込みます。
年中暑い中での作業です💦
冷めたらすぽっと型から抜き出すため、徳利のような凹凸のある形は一度には作れません。
ではどうするのか?
なんと!
分割して型を作り、最後にパーツを溶接するのです!
そんなに手間がかかっているとは正直驚きました。
しかも、溶接部分が全くわからない!!
これはまさに熟練された職人技。
↑この写真の徳利は5つのパーツを溶接して作られるのです。
↓完成するとこうなります。
次は削りの作業です。
熟練の職人さんにしかできない、削りにより角が取れ、光沢感が出てきます。
↑右が削り前、左が削り後です。
ふちの部分に丸みと光沢が出ました!
こちらは漆塗りの作業です。
錫の上から漆を塗っている商品もたくさん制作されています。
こちらは特にアジアで人気の急須だそうです。
細かいパーツは機械で研磨できないので、全て手作業です。
今回ご紹介したのは一部ですが、様々な工程を見させていただき、とても貴重な体験をさせていただきました。
職人技の連携プレーでやっと一つの錫器が出来上がるのです。
丁寧な仕事とはこういうことを言うのだと実感しました。
私も錫器を持っていますが、職人さん方の気持ちのこもった錫器を大事に使っていきたいと思います。
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